セレッソにはたくさんの私立中高生の子どもたちに通っていただいています。
私立中高は、特に学校によって校風・指導方法もさまざまです。
実際に通っていた生徒さんに「どんな学校なのか?」をレポートしてもらうこの企画。
中学受験を考えている小学生や保護者のかたに参考になるかと思います。
あくまで通っていた学生による個人的な記憶や感想に基づいていますが
参考にどうぞお読みください。
今回は東京都市大附属中学 高校です。
横浜国大に進学している須田先生に書いてもらいました。
以下、東京都市大学付属中学校・高校レポートです。
■校則
染髪禁止、アルバイトや原付での登校も禁止されていました。
カーディガンは学校指定の物を着用するように指定されています。
携帯電話は校内での使用は禁止で、朝のHRで担任に預けるように指導されていました。中学では携帯の没収など厳しく指導していましたが、高校では多少ゆるくなったように思います。
■行事
4月 高校体育祭
5月 多摩川ラリー
6月 中学体育祭
10月 柏苑祭(文化祭)
他には林間学校(中1)、岩手への農業体験(中2)、企業研修(中3)、また希望者のみですが、スキー合宿(中1)やニュージーランドへのホームステイなどがあり、イベントが盛りだくさんで、将来の進路を意識した行事も多くありました。
■学校での指導
英語
中学の頃は、英語は読解と文法、コミュニケーションの授業に分かれており、読解の授業では英語の文章の読解や単語の勉強、文法の授業では文章の書き方や英文の構成、コミュニケーションの授業ではネイティブの講師を相手に、英語での会話やスピーチの仕方について学びます。2週間に1度ある単語テストでは8割程度の目標点が設定されており、それに達せなかった生徒は合格点に達するまで追試を行っていました。
高校では1年の時に習熟度別に2クラスに分かれて授業を行い、下のクラスではセンターやMARCHレベルを、上のクラスでは難関国公立を目標とした授業をそれぞれ行っていました。中高一貫で2年までに高校の範囲は全て終わり、3年ではセンター試験や大学の過去問を使って実際の入試に向けた授業をしていました。3年次には希望者には毎週1年分センター英語の過去問が渡され、その添削を受けることができました。また夏期や冬季の補習では、特定の難しい大学の英語試験の対策に的を絞った補習が行われることもありました。
数学
元が工業系の大学だったので、数学と理科には特に力を入れていた印象があります。中学では学校独自のテキストを用いて授業を行い、授業のノートとは別に宿題用のノートを作り、それを毎週提出するようにしていました。試験では制限時間に対して問題の量が多く、授業の範囲を理解することはもちろん、素早く計算をする能力も必要でした。進度は速いですが、補習などもしっかりしているので、授業についていけない生徒はほとんどいませんでした。高校では英語と同じく2つのクラスに振り分けられました。特に上のクラスはかなりレベルが高く、高2の時点ですでに難関大学の過去問を授業で取り扱っていた記憶があります。ついていくだけでも大変でしたが、そのぶん数学的な思考力も鍛えられました。
■大学受験へのサポート
中学の頃から大学進学を意識した指導を行っており、内部進学する生徒は非常に少ないです。伝統的に理系志望の生徒が多く、自分の在学したころは理系志望の生徒と文系志望の生徒が7:3くらいの比率でしたが、今は文系志望の生徒も増えてきており、社会系の授業にも力を入れているようです。高2からは月に1回程度担任との面談があり、自分の志望校にむけた勉強法の提案や、行きたい大学の難易度についての相談などをすることができます。図書館に自習スペースが併設されているので、静かな環境で集中して勉強することができます。また、各教室も夜遅くまで開いているので、友達と一緒に勉強することもできます。教員室にホワイトボードのついた面談スペースがあり、分からないことも先生に聞けば丁寧に教えてくれます。
■学校全体で大学受験の雰囲気はあるか
進学校を名乗っているだけあって、かなり周りの意識も高く。高2の秋ごろから受験を意識した雰囲気になってきます。ですがギスギスした雰囲気ではなく、自発的に勉強がしやすい雰囲気でした。みんなで一緒に頑張ろうという雰囲気が流れており、高3のときには自分たちで自発的に、センター試験までのカウントダウンを行ったりもしました。
■文系と理系のクラス分け、特進クラスについて
高1でスタンダードクラスとアドバンスクラス、高2でそこから理系・文系に分かれ、高3ではアドバンスクラスがαとβに分かれ、理系・文系合わせて6つのクラスに分かれます。スタンダードクラスは私立のMARCH程度の大学を、アドバンスクラスは国公立大学を目指し、そのうちαクラスでは旧帝大や医学部、βクラスではそれよりは易しい国公立大学を目指した授業を行います。文系・理系は各科目の成績や将来の進路なども考慮して担任の先生と相談して決めますが最終的には本人の意思を優先して決められるので、将来のキャリア教育なども早い時期に行われます。どのクラスに行くかは成績と本人の希望をもとに決まるので、あえてαではなくβクラスを選ぶといったことも出来ました。もちろんβクラスでも本人の意思次第で難関国公立を目指すことができ、担任の先生もそれに向けてしっかりとサポートしてくれます。
■国公立大学を目指すなら
マーク模試と記述模試が2か月に1回程度行われ、模試に向けた対策なども直前には行われるので、入試対策は手厚いと思います。国公立大学へ進学するOBも多く、そうしたOBが年に1回程度来て、現役時代の受験勉強について話してくれるので、勉強面だけでなく、生活面でどのように過ごせばいいかについても面倒を見てくれます。また夏休みには大学の講師を招いて最先端の技術などについての講義が行われたりもするので、勉強に対するモチベーションは高く保てると思います。
■この学校のいいところ
校舎が建て替わったばかりでとても綺麗です。ガラスが多く使われていて、学校の校舎特有の狭さや暗さがあまり無く、開放感があります。また実験の設備が非常に豊富で、さまざまなテーマの実験を行うことができます。先生もフレンドリーで、授業以外でも相談に乗ってくれたりもします。1学年の人数がとても多く、気の合う人が必ず2,3人はいます。様々なところから通ってくる人がいるので、いろんな価値観を持った人と交流できると思います。周囲も住宅街に囲まれているので、静かで落ち着いた環境だと思います。部活の種類も豊富で、特に元が工業系の高校だけあって、自動車部やエレクトロニクス系の部活も活発です。
■この学校の嫌なところ
首都圏に位置していて、登下校時はほぼ確実にラッシュに巻き込まれます。また駅から15分程度歩くので、あまり交通の便は良くないです。また全校生徒数がとても多いので、昼には食堂も購買も非常に混みます。
■最後に同じ高校を目指す後輩へメッセージを
大学に進学してさまざまな人と交流したときに、この学校で経験したことがきっと活きてくると思います。ここでしかできないことを、たくさん経験してください。
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